毛猛山塊(新潟) 土崩山(753.1m)、こったが山(913m) 2023年4月22日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:37 ゲート−−5:20 廃林道入口(巡視路入口)−−5:53 廃林道を離れて尾根に乗る−−6:11 送電線巡視路−−6:26 巡視路を離れて尾根に乗る−−6:35 674m峰−−7:11 土崩山−−7:43 732m峰−−8:30 最初の廃墟−−8:50 こったが山 9:16−−10:15 732m峰−−10:41 土崩山−−11:13 674m峰−−11:24 送電線巡視路−−11:51 廃林道−−12:01 国道−−12:50 ゲート

場所新潟県魚沼市
年月日2023年4月22日 日帰り
天候晴時々曇 西風強し
山行種類藪山
交通手段マイカー
駐車場国道路側に駐車余地あり
登山道の有無国道〜674m峰手前までは送電線巡視路あり。そこから「こったが山」までは道無しだが獣道が見られる場所もある
籔の有無主に灌木藪。稀に笹が混じる。無雪期でも我慢できるレベルの藪の濃さ
危険個所の有無こったが山山頂直下は人工的に尾根が削られて法面に近く転落注意。潅木に掴まって安全確保した
冬装備ピッケル、10本爪アイゼン。雪質によってはどちらも不要
山頂の展望土崩山:西以外は良好 こったが山:良好
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コメント今年は雪解けが早く残雪があまり期待できないが送電線巡視路経由で土崩山と「こったが山」を往復。想定以上に雪が無くて「こったが山」付近以外は藪漕ぎ。ただし激藪ではなかったので傷だらけになりながらも登頂成功した。こったが山北側直下には屋根が落ちた大きな廃墟が複数ある。今年初めて熊の足跡を見た


こったが山山頂北側直下の廃墟群の一つ。昭和初期にここで硅石採掘をしていたそうだ


ゲート前の大きなカーブに路側駐車 ゲート。大型連休直前に開くとのこと
末沢発電所。停止中らしい
橋の手前から右に入る廃林道に入る 植林中の廃林道のみ残雪がある
廃林道らしい光景 廃林道が尾根を回り込む箇所で尾根に乗ることに
尾根取り付き 尾根上は比較的藪は薄い
イワウチワは各所で満開 600.7m三角点
今シーズン初の熊の足跡。間違いなく今朝のもの 残雪が使える箇所は僅か
600m峰で南から巡視路が上がってきた ツツジだが細かな種類は分からない
巡視路から見た土崩山と足沢山。こったが山は隠れて見えない
尾根南側の送電鉄塔 ユキツバキかなぁ
尾根上の鉄塔。この先で巡視路は尾根北側を巻き始める 西側に続く送電線
もう石楠花が咲いていた こちらはおそらくオオカメノキ。北アでは7月に咲く花
小尾根を回り込んで残雪が現れ巡視路が埋もれる 残雪帯から尾根に乗り移る
674m峰直下は灌木藪が濃い 674m峰。ここで麦わら帽子をデポ
674m峰から見た土崩山 尾根上には所々で獣道あり
頭が欠けた境界標識? 松が登場すると藪が薄まる
ねじ曲がった山毛欅 反対側から見ると幹が朽ちて倒れ掛かっていた
灌木藪が強力な個所 こんな場所が続けば楽なのだが
土崩山山頂 土崩山の傾いた三角点
土崩山から見た北〜東〜南の展望(クリックで拡大)
土崩山から見た「こったが山」 こったが山山頂部拡大。崖っぽく大丈夫か心配になる
土崩山から下り始め ブナの倒木。藪が倒されて歩きやすい
でもまだまだ灌木藪が続く ここは逆目で強い藪
僅かな残雪も長続きしない 素直に尾根上を進む
690m鞍部。ちょっとだけ残雪がありほっとする また藪に逆戻り
こういう灌木が一番厄介 732m峰。てっぺんだけ残雪あり
732m峰から見た北〜東の展望
732m峰から見た「こったが山」 732m峰から見た土崩山
こったが山へ下り始める 傾斜がきつくなると尾根が不明瞭でルート注意
2つ目の境界標識 670m鞍部付近
730m峰 730m峰から見た「こったが山」
こったが山山頂部拡大 710m鞍部への下り
マンサク カタクリ
シャクナゲ タムシバ
標高730m付近 岩っぽくなってくると藪が薄まる
標高750m付近から見た土崩山〜732m峰
やっかいな逆目の根曲がり灌木藪 人工的に掘られたような凹み
標高800m付近 標高810m付近で雪に乗る
標高830m付近でトイレ(壁にWCの文字)登場 裏に回ると確かにトイレ
トイレの次は屋根が落ちた大きな廃墟 中には雪が積もっている
屋根は鉄骨が残るだけ 南から廃墟を見る
スミレだが細かな種類は不明 次の廃墟は一段高い場所
2つ目の廃墟は2つの建物が並んでいる こちらも屋根が落ちている
2つ目の廃墟を南から見下ろす 廃墟の先は残雪の急斜面
明らかに掘られた跡 北斜面の雪が固くアイゼン装着
左側のピークが山頂。右のピークとの間も採掘で削られていた 山頂直下で雪が途切れる
ピッケル、アイゼンをデポ 灌木藪に突入
小尾根に乗る。山頂直下は削られた急斜面 こったが山山頂。北の肩が最高点
こったが山から見た南西〜西〜北〜東の展望(クリックで拡大)
こったが山から見た毛猛山塊主脈の山々。西から見ていることもあり雪が少ない
こったが山から見た大倉山〜下権現堂山の稜線(クリックで拡大)
こったが山から見た黒又川左岸の土崩山付近
山頂から北を見ている。足元は採掘で削られた崖状地形で尾根が分断されている
こったが山から見た黒又川第二ダム 登ってきた尾根
下山開始 イワナシ
雪に乗る 廃墟再び
帰りは廃墟の東斜面の残雪を伝ってみた 下部の廃墟の東を巻く
雪が途切れた場所もある でもすぐに残雪に乗る
標高800m付近まで残雪を辿れた 標高800m付近の藪
標高790m付近のワイヤー 標高740m付近
730m峰への登り返し 730m峰を越えて再び藪漕ぎ
720m鞍部付近 732m峰への登り返しは藪が薄い西側を巻く
732m峰直下で藪尾根に復帰 732m峰のピンクリボン目印。目印はこれしか見なかった
732m峰 標高700m付近
690m鞍部から東斜面の残雪を拾う でも雪は途切れ途切れ
標高700m付近 標高710m付近
雪を求めて高度を落としても巻き続けた 標高700m付近
標高730m付近まで残雪で藪を巻けた 土崩山山頂
土崩山から見た674m峰 土崩山西側直下
630m鞍部からの登り返し 674m峰
674m峰から見た土崩山 674m峰東直下の藪は濃い
巡視路のある尾根を見下ろす 帰りはカタクリが開花していた
北には残雪が見えるが急斜面で下れず藪漕ぎ 背の高いブナ林に入れば藪から解放
巡視路向けてトラバース 巡視路に乗った。以降は巡視路を歩く
東に続く送電線。帰りはこれに沿った巡視路を辿った 600m峰で巡視路は尾根を離れて南へ下る
長い角(距)を持つナガハシスミレ すみれだが種類不明
ネット検索の結果、シロバナニシキゴロモで間違いなさそう 巡視路は南斜面を延々とトラバース
送電鉄塔 標高490m付近
標高480m付近で巡視路は上に向かい廃林道に合流 ちょっとだけショートカットして廃林道に合流
国道到着 国道脇の白いキクザキイチゲ
国道脇の紫のキクザキイチゲ 末沢発電所の満開の桜。でも国道未開通で見る人がいない
車道の踏切なのに車止めあり カタクリの群落
謎の鉄塔。硅石採掘当時の施設の一部か? すみれだか種類不明
只見線はスノーシェッドが多い ツクシの群落
ミヤマキンバイそっくりさんだがたぶんキジムシロ すみれだか種類不明
ここにもカタクリの群落 エゾエンゴサクっぽい
冬季間だけ通行止めなのか? ゲート到着
予想外に車は私のだけ。この日の入山者は他にいなかったようだ


 黒又川周辺の藪山はかなり登ったが、毛猛山に続く「こったが山」と土崩山は未踏であった。当然ながら登山道は無く藪に覆われているので残雪期が狙い目であるが、今年は雪解けが例年より早く、場所によっては半月ほど早いとのこと。例年ならば今頃は毛猛山が狙い目であるがネットの記録では2週間前の記録で私が大型連休に登ったときと同じくらいの残雪状況であり、標高が低い「こったが山」付近ではほとんど雪が無い可能性が高い。かと言って他に残雪期に登るべき未踏の山はあまりに難易度が高いか距離が遠すぎる。いっそのこと県道の冬季通行止めが解除される燕岳でも行こうかとも考えたが、週末は大陸性高気圧が張り出して気温が低下すること、天気図を見ると強風が予想されることから標高が高い山は避けるべきとの判断に傾いて藪を覚悟で今回の山行となった。

 残雪が多ければ「こったが沢」辺りから登るところだが、雪が期待できないのであれば取り付きは土崩沢左岸の送電線巡視路以外にあり得ない。巡視路で674m峰に到り主稜線を南下して土崩山、こったが山を踏んで往路を戻る計画である。主稜線は北向きの尾根になるので他ルートよりは残雪は期待できるだろう。

 今回は珍しく事前にネットで「こったが山」、土崩山を検索してみたら無雪期に足沢山から土崩山を歩いた記録を発見。それによると「こったが山」山頂付近には廃墟があることが分かった。昭和初期に硅石の鉱山があったとのことで当時は道があったのだろうが、今はすっかり藪に覆われて道の形跡は残っていないとのこと。半世紀以上経過しているので当然だろう。無雪期に歩いた兵がいたことが分かって、今回の計画は雪が無くてもどうにかなりそうだと分かって一安心だ。

 前々日は全国的に気温が上昇して真夏日になったところがあったが金曜日から北寄りの風が強く気温が低下。土日は更に下がるとのことで日本海側は悪天かと思ったら北海道付近は冬型で荒れ模様だが本州中部以西は高気圧が張り出して冬型ではない予報。日本海側は晴れとはいかないが曇りで雨は無い予報であった。藪漕ぎが想定されるので気温は低く寒い方がいい。

 国道252号線は大白川で冬季通行止めなので巡視路入口まで約4kmの歩きになるが、今年は何度も長い林道歩きをやっているので問題なし。既に国道は除雪済みの情報がネットに上がっていた。おそらく週末は毛猛山を狙うパーティーがいるだろうから仮眠はゲート前を避けて少し下った場所とした。しかし朝飯を食ってゲート前に移動すると他に車は皆無で下山しても車は私のものだけ。どうもネットで残雪量が少ないと分かって今年の毛猛山は断念したのかもしれなかった。ゲート前には駐車場らしき広場があるが私有地の可能性があり、少し戻って道幅が異常なほど広いカーブの路側に駐車した。

 今回の装備であるが残雪は期待できないと言ってもゼロとも言い切れず、危険箇所が無い確証は無いので10本爪アイゼンとピッケルを持つことにした。長い車道歩きを考慮して長靴ではなく登山靴にし、藪漕ぎを考慮してズボンは穴が開いたボロいジャージとした(この判断は正解だった)。残雪及び藪の状態で所要時間は大きく変わるのでゲートに何時に戻ってこられるのか予想しにくいが、お昼くらいには戻りたいものだ。この時期は午前4時半でライト不要な明るさになるのでそのタイミングで出発。今朝は冷え込んで車の外気温表示は+3℃であった。

 昔はゲートは施錠されておらず車止めを手で引っこ抜いて車で入れないこともなかったが、現在のゲートは施錠されていた。ただし横の隙間が広いのでもしかしたらバイクでも通過できるかもしれない。自転車なら全く問題ないだろう。雪が無い車道歩きは楽であり巡視路入口までの標高差もほとんど無いのでこれも楽な要素。末沢発電所では桜が満開であったが国道が未開通では誰も鑑賞できずにもったいない。なお、発電所は静かだったし排水路から水が出ていなかったので稼動停止しているようだった。発電所に到る車道に踏切があるが車止めあり。こんなのは初めて見た。

 地形図によると巡視路入口は国道と只見線が末沢川を渡る橋の手前にあることになっていて、目的の橋が登場するとその手前右手に林道が上がっていた。送電線巡視路を示す標識は無いがこれで間違いないだろう。約1時間の準備運動が終わってやっと本格始動である。なお、ここに到るまでの国道両側の斜面はほとんど雪は残っていなかった。

 林道はどうも廃林道らしいが杉植林帯の中ではほとんど残雪に覆われて路面状況が見えない。山に雪が無いのに廃林道にあるとは皮肉であるが、傾斜が緩く杉の日影なので遅くまで雪が残るのは当然である。高度が上がると林道上に灌木が見られる様になり明らかに廃林道化が進んでいる。地形図の破線はこの廃林道を示しているのだろうと考えてずっと廃林道を辿っていくと、やがて674m峰から東に延びる主尾根を乗り越えて北斜面に回り込んで下り始めた。見た感じではこのまま廃林道は下っていくばかりのようで明らかに送電線巡視路とは異なる経路である。もしかしたら途中で巡視路が分岐したのかもしれないが、残雪で埋もれて巡視路入口が分からなかったのかもしれない。

 仕方が無いので廃林道を離れて主尾根に取り付くことにした。尾根に乗ると南側はブナの自然林で北側は杉の植林にはっきりと分かれていた。植林があっても尾根上には残雪は見られず、灌木藪を分けながら傾斜の緩い尾根を西へと進んでいく。まだこの段階では藪は薄い。地面には満開のイワウチワの群落が見られた。

 傾斜が無くなると三角点が登場。地形図を開いてみると現在位置は600.7m三角点峰に違いなかった。もう少し西に進めば送電線巡視路に合流するはずである。これ以降はブナ林が続くが藪が無いわけではなく、矮小な灌木と薄い根曲がり竹が混じる藪である。所々で残雪が登場するが島状で長続きしない。そのうち一つに輪郭がはっきりした真新しい熊の足跡があった。今年初めての熊の足跡で昨年は未丈ヶ岳で1度見ただけ。昔は4月に入ると良く見たのだが近年は毎年1回しか見てないかも。熊鈴は常時持ち歩いているのでここで鳴らし始めた。なお、私の場合は熊の足跡を見たくらいで計画を断念することはないし、熊の姿を見ても断念したことはない。野生の熊は臆病で人の気配を感じると人間が気付く以前に逃走するのが基本的な行動である。音を出して人間の存在を知らせてあげればあちらから遠ざかってくれる。

 藪を進んでいると不意に立派な刈り払いの道が登場。これが送電線巡視路で南斜面から上がっていた。ここまでは大した藪ではなかったが、それでも道よりは面倒だったので藪から解放されるのは大いに結構。ただしこの道も674m峰までであるが。

 600m峰を越えて下りに入り、尾根上の送電鉄塔を通過して巡視路が尾根直上から北斜面を巻き始めると残雪が登場して巡視路がどこだか分からなくなる。地形図では巡視路は674m峰てっぺんを通っていることになっているが、実際にはここで674m峰北側を巻いているようだ。ここで巡視路と分かれて残雪を伝わって尾根に戻って674m峰に向かうことにした。

 尾根上には巡視路は無いが最初は背の高いブナ林で藪はほぼ無くて快適に歩けるが、傾斜が出ると同時にブナが消えて矮小な根曲がり灌木藪に変わる。雪の重みで枝(幹?)が下向きなので登りでは逆目となり厄介である。短距離ながら一部では強力な藪を構成しており先が思いやられる。ザックに付けたピッケルが藪に引っかかりまくってウザったい。この先、ピッケルの出番があるのか心配になる。

 674m峰直下で一時的に残雪が現れるが再び灌木藪に突入して674m峰に到着。意外にも山頂は開けていてこれから向かう土崩山が良く見えていた。覚悟はしていたが雪は見られず、ずっと奥に見えている足沢山の斜面でも雪はかなり少なく見える。今回はほとんど藪漕ぎで終わりそうだ。

 覚悟を決めて土崩山に続く主稜線を南下開始。案の定雪は全く無く灌木藪の尾根が続くが、薄っすらと獣道のような筋が見られる場所もある。尾根直上では灌木が直立していて分けやすいので尾根を忠実に辿っていく。途中で頭が欠けた樹脂製の赤い筒状の物体が登場。おそらく境界標識だろうが、ここまで劣化しているとなると相当古いものだろう。

 2週間前の高鼻山〜魚止山と同じく松が現れると灌木藪が薄くなって一気に歩きやすくなる。逆に背の高いブナ等の樹林が無くて開けた場所では灌木藪が強力である。尾根直上は灌木藪でも西側斜面は藪が薄い箇所があったりと藪の状況はさまざまであり、一番楽な場所を探しながら進んでいく。

 土崩山手前の700m肩は小ピークを構成していて土崩山山頂かと思ったが三角点が見当たらないし、藪で先は見えないが少なくとも目の前には同じような高さの尾根が続いて下りになっていないので山頂ではないと分かった。ここで一時的に藪が強力になるが短距離だけで助かった。その後は比較的歩きやすい植生が続く。

 最後は土手のように少し痩せた急な尾根を登って傾斜が無くなると土崩山山頂に到着した。山頂標識は無く、傾いた三角点が鎮座していた。根元まで露出して三角点が傾いているのなら分かるが、頭しか出していないものが傾いているのは施工不良としか思えない。山頂の東半分が樹林が開けて展望良好で、守門岳〜浅草岳〜足沢山〜桧岳が立ち並んでいる。残念ながら西側は樹林が立ち並んで展望皆無。谷を挟んだ反対側には2週間前に登ったここと同名の土崩山が見えているはずなのだが。こちらの土崩山付近はほんの僅かしか雪が残っていないが向こうの土崩山はどうであろうか。

 土崩山からは「こったが山」が見えており、デジカメのズームでアップにすると地形図の表記とは異なって山頂部が2つのピークに分断されていて、その間は鞍部と言うよりギャップに見える。奥のピークが山頂の場合、あのギャップからの登りで危険が無いのか心配になる。無雪期に足沢山〜土崩山まで歩いたネットの記録では「こったが山」直下で危険個所があるとの記述があったが、これがそうらしい。でも地形図に無い地形は反則技だ。私に突破できるかは現場に行ってみないと分からないが、ここから見た感じではぼうぼうの灌木藪が密生しているのでどうにかなりそうに感じた。手前のピークの直下には例の廃墟の大きな屋根が見えていた。

 まだ土崩山ではルート核心部の半分にも達していない。見える範囲では雪が残っていそうなのは「こったが山」直下だけであり、まだまだ藪漕ぎが続きそうだ。土崩山の下りは早速濃い灌木藪だが下り方向なのでまだマシだ。730m肩では大きなブナが倒れて周囲の藪を巻き込んで藪が寝ているので楽に通過できた。それでも次にはまだ強力な藪がお出ましでなかなか楽させてもらえない。

 標高710m付近から断続的に残雪が現れるがそれぞれが独立した短い島状で長続きせず、ほとんど藪の連続だった。690m鞍部でまとまった残雪が現れるが、これも距離にして100m程しか続かなかった。

 灌木藪を登っていき傾斜が消えると樹林が開けた狭い残雪の平地が登場。そこが732m峰てっぺんであった。ここまで来ると「こったが山」山頂が間近に見えるようになるが、やはり山頂付近まで達しないと雪が使えそうにない。732m南直下の立ち木には2つのピンクリボンがかかっていたが、今回のルートで見た目印はここだけであった。

 732m峰の下り始めは傾斜が急で尾根地形が不明瞭であり藪で先が見えないこともあってルートに注意だ。正確に尾根に乗っているのか確信が持てないまま慎重に下っていくが右手斜面の方が藪が薄くて引き込まれやすいが、正確な尾根直上は灌木藪が濃い筋である。地形図では尾根東には崖マークが描かれているが、実際に歩いていて崖は見えなかった。

 670m鞍部付近で本日2個目の頭が欠けた赤い円筒状の境界標識?が登場。標高700m付近でこれまでにない広さで残雪に覆われるようになりやっと藪から解放されたと思ったが、730m峰を越えた所で雪が消失してしまった。残念。

 720m鞍部から登り返しにかかると春の花がいくつも見られた。イワウチワは当然だがカタクリ、マンサク、タムシバの他に石楠花が咲いていたのにはびっくり。この標高ではこんな早い時期に開花するとは知らなかった。奥秩父の石楠花は背丈を越える激藪だがここの石楠花は北アルプスの森林限界のような矮小なもので、藪を構成するほど群生していないので邪魔にならない存在だ。石楠花藪の厄介さは身に染みて分かっているので、今回のように花を愛でて歩けるような状況は有り難い。

 登りがきつくなってくると少しだが岩が混じるようになり藪が薄くなる。なお、岩と言っても危険があるレベルではない。藪が薄くなったっと思ったら次には狭い尾根直上全体を覆うように横に枝を伸ばした強力な灌木が現れたりと、やっぱり楽をさせてもらえない。

 鉱山跡が近付いて人の形跡らしきらしきものが見られる様になる。地面を掘った穴のような不自然に凹んだ箇所や、城跡の空堀のように尾根を横断するこれまた不自然な凹みなど。ただし灌木藪は相変わらずである。

 標高810m付近でまとまった残雪が登場。とうとう藪から解放されたかと思いきや、831m標高点付近でまたもや雪が切れて藪漕ぎだ。灌木をかき分けて登っているとふいに白い垂直の壁が登場。薄っすらと黄色い文字で「WC」と書かれていた。鉱山跡の廃墟群の最初の建物がトイレであった(笑) でも考えてみればこれは当然の配置と思われた。トイレから流れ出る汚水は当然ながら下に流れる。他の建物より上にトイレがあると・・・・考えてみれば恐ろしい。

 トイレの次には大きな廃墟が登場。屋根が落ちていて建物の北半分の大きな部屋には三角形の鉄骨が残っているが、南半分の部屋は鉄骨も落ちていた。建物の中にはまだ雪が残っていたが、大きな物は残っていないようだった。

 廃墟を通り抜けると有り難いことに残雪が続いている。今度こそは山頂直下まで雪が続いて藪を回避できた。ただし雪の上縁を歩いていたらシュルント(雪の端が雪解けで薄くなって地面との間に隙間ができた箇所)に落ちてしまった。シュルントに落ちた経験はもう20年くらい前の後立山北端の猫の踊場以来である。あの時は2mくらい落ちてよくも怪我をしなかったが、今回は腰位までだったのでびっくりはしたが踏み抜きと同程度で済んだ。シュルントは上から見えないので雪の端はできるだけ歩かない方がいい。

 キックステップで急雪面を登ると次の廃墟が登場。今度は左右に建物が並んでいて左側が大きな建物、右側が小ぶりの建物であった。2つの廃墟とも右下がりの斜めの屋根だがどちらも抜け落ちていた。トイレ以外の建物の屋根が全て壊れていたのはおそらく豪雪地帯で雪の重みが原因だろう。大きな廃墟を通り抜けてみたが、おそらく2階建てと思われるが屋根と同様に2階の床も抜け落ちていた。

 廃墟を通り抜けて急な雪面を登ると右手の岩場に大きな溝状の凹みが登場。おそらく硅石を採掘した跡だろう。おそらく人力で掘ったのだと思うが、よくもまあ重機を使わずにこれだけの土木工事をやったもんだと感心する規模である。

 この先は北斜面で雪が固くノーアイゼンでは滑落の危険がある傾斜なのでアイゼンを装着してピッケルを手にする。これらを使った距離は200m程度だったろうか。無くても歩けたとは思うが、ここで万が一滑ったら簡単には止まらない。

 山頂付近でも硅石採掘で削られたと思われる大きな溝が登場し、その中だけは雪が残るが左右の高まりは藪が出ていた。左の高みが「こったが山」山頂で最後は藪漕ぎが必要だ。雪が切れたところでアイゼン、ピッケルをデポして灌木藪に突入。足元には多数のカタクリが咲いていた。

 小尾根(採掘で削り残された斜面の一部)に乗って灌木を分けて登ると山頂直下で法面に遭遇。これも採掘で削られた跡だろう。高さ2mほどで灌木に掴まってクリアする。このすぐ上が「こったが山」山頂であった。

 地形図では山頂は細長い中央部に913mの標高点が打たれているが、現場に立つと細長い山頂部の北の肩が明らかに最高点であった。背丈より低い低灌木に覆われるのみで展望は良好であるが、南東に延びる山頂部には背の高い立木が並んで展望を邪魔している。土崩山にも無かったがここにも山頂標識は無し。まあ滅多に人が登ってくる山ではないので仕方なかろう。足沢山へ続く尾根には全く雪は付いておらず藪漕ぎ確定。もしこの尾根の残雪が利用可能なら帰りは足沢山経由で行こうと考えていたが無理であった。残念。

 西寄りの風が強いので少し東に下った斜面で休憩。国道ゲートから4時間強歩き続け、しかも後半は延々と藪漕ぎだったので疲労は当然だろう。2週間前は真っ白だった守門岳、浅草岳は黒い部分がかなり多くなり雪解けが相当進んだことが分かる。ここからでは毛猛山へ続く稜線の西側斜面を見ることになるので残雪はかなり少なく見えるが、反対側の東斜面にどれくらい残っているのかは分からない。ただ、国道の除雪状況確認のためにネットで今年の毛猛山の記録を探したら、4月第一週の週末の段階で私が大型連休に登った時と同程度の残雪状況であったので、今はかなり藪が出てしまっただろう。今年は本当に残雪が少ないようだ。

 休憩を終えて下山開始。基本的には往路を戻るが、帰りはできるだけ残雪を拾って藪を回避。廃墟群から先は尾根上ではなく東斜面の残雪帯をトラバース。標高800m付近まで雪が使えた。土崩山南東側の690m鞍部から土崩山間も同じように尾根から離れても東斜面の残雪を利用し、区間の半分程度は残雪で藪を回避できた。土崩山以降は使えるほど雪が残っていないので素直に藪漕ぎ。674m峰で麦わら帽子を回収して最後の藪漕ぎでブナ林の残雪帯に降り立ち、送電線巡視路に乗った。

 往路は廃林道から巡視路への乗り換えポイントが分からなかったので、帰りは巡視路を忠実に辿ってみることに。600m峰で巡視路は南斜面を急激に降下して枝尾根に立つ送電鉄塔からトラバースに変わり、その後は延々とトラバースである。巡視路は藪の刈り払いは完璧であるが、多量の降雪の影響で道が削られたのか斜面と同じ傾斜で足元が斜めになった区間が多く、意外と歩きにくい。

 標高500m付近の谷地形では数種の花が見られた。すみれは3種類だが帰宅後に種類が判明したのはナガハシスミレのみ。これは非常に特徴的な花で、角のように長い突起が花の裏側からニョキっと出ているので区別が簡単である。漢字表記では「長嘴菫」である。他の2種類は私では判別不可能。可能性としては紫の方はタチツボスミレ、白い方はニョイスミレか。

 標高490mで傾斜が緩んで平坦地に出て残雪が現れるが、ここで巡視路は雪が無い斜面を上へと向かっていた。帰宅後にGPSの軌跡を見たら廃林道の大きなカーブに出るようだ。ここは林道上に残雪があったので巡視路が分かれるのが見えなかったのも当然だ。ここで登り返すのもしゃくなので残雪が残る平坦地を横移動して林道が降りてくるのを期待すると、予想通りに下ってきた廃林道に合流できた。以降は国道まで廃林道歩き。

 国道に下りてからは道端の春の花を探しながら車が走行しない国道をのんびりと歩く。キクザキイチゲ、カタクリが主役だがすみれ類やキジムシロ(だと思うが似た花が多いので自信なし)も見られた。下界でも風が強く国道歩きでは体の発熱が少ないので防寒着を着用した。日差しは強いが風がそれを上回って体を冷やすため、麦わら帽子ではなく毛糸の帽子を被った。花を探しながら歩いたこともあり国道歩きは行きも帰りも同じような所要時間だった。

 ゲートに到着すると毛猛山に入っているパーティーの車があるに違いないと思っていたが、意外にも車は私の1台だけ。風は強いものの天候は今日明日と安定しているはずなので、この週末に入山者がいないということは残雪量が少なく今年は断念したのかもしれない。

 車内で着替えをしてしばし休憩。日差しが強いので日陰に移動しないと暑いかと思ったら気温が低いので日向でちょうどよかった。ノートPCで記録を打ち込んでいると大ザックを背負った2人の男性が国道を下っていった。おそら奥只見丸山スキー場から縦走してきたのだろう。只見線で小出に出るのだろうと思っていたが、数時間後に駅に立ち寄ってみたら驚きのダイヤだった。小出方面は1日5本、会津若松方面は1日3本しか無かったのだった。その代わりにコミュニティーバスが出ていることが分かったので、それを利用したのかもしれない。


まとめ
 今年は雪解けが早く藪漕ぎ覚悟で出かけたがその通りになってしまった。ただし思ったよりは藪は濃くないので無雪期でも歩けるレベルだと分かった。もちろん残雪に藪が埋もれた時期に歩く方が楽であるが、その場合は約4kmの国道も除雪前で雪に埋もれて往復の国道歩きで体力を使うことになりそうだ。どうせ藪を漕ぐならば国道開通後で廃林道入口まで車で入れる時期の方がよく、今回は半端な時期に入ってしまった感が強い。藪は濃くないとは言え、それに混じった笹や根曲がり竹の葉が体に触れて下山後1週間ほどはアレルギー性の湿疹が体のあちこちにできて花粉症用の抗アレルギー薬を再び服用してステロイド系の強力なかゆみ止めも使う羽目になった。この記録を書いている今も痒みが収まっていない。

 

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